「社会保険」と「国民健康保険」とは?
◆社会保険
主に企業でお勤めする正社員や、一定の条件を満たした非正規社員(パートや派遣社員、契約社員など)は、勤め先の会社を通じて全国健康保険協会や各健康保険組合が運営している社会保険に加入します。
社会保険の中には、主に次の4つの保険や制度が含まれており、保険料の半分を勤め先の会社が負担します。
- 健康保険
- 厚生年金
- 介護保険
- 雇用保険
社会保険は、保険料の半分を勤め先の会社が負担します。
令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(福岡県)※出典:全国健康保険協会
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r3/ippan/r30240fukuoka.pdf
◆国民健康保険
国民健康保険は、被保険者本人が保険料を全額負担します。
国民健康保険は会社の社会保険に加入している方や、生活保護を受けている方以外全員加入しなければなりません。退職等で社会保険から外れる場合、お住まいの市区町村の窓口で国民健康保険に加入する手続きが必要です。
退職したまま、国民健康保険の加入手続きをしなかったとしても、保険料を遡って納める必要があります。手続きをしていない期間は無保険状態になるため、その間受診や薬代などの医療費は全額自己負担となるケースもあります。
「社会保険」と「国民健康保険」の違いについて
社会保険の健康保険と国民健康保険、どちらも病院での自己負担割合は同じ。しかし、保険料免除の制度や補助の内容など異なる点もあります。そのため双方の違いをきちんと理解しておくことが重要です!
●加入する保険団体
社会保険は全国健康保険協会や会社の健康保険組合に加入しますが、国民健康保険の場合は都道府県及び市町村が保険者となり運営をしています。
●親や配偶者を扶養に入れられるか否か
社会保険は3親等以内かつ条件を満たす者であれば、被保険者の扶養に入ることができます。しかし国民健康保険は、社会保険と同様の条件を満たしていても被保険者の扶養に入ることはできません。国民健康保険には扶養という概念がないからです。
●保険料
社会保険の場合、基本給や通勤手当、残業手当、住宅手当などの収入と被保険者の年齢をもとに金額が算出されます。また支払い金額は、勤め先の会社と半額ずつ負担をします。一方、国民健康保険の保険料は下記3つを合わせた金額によって決定されます。
- 医療(国民健康保険加入者の医療費にかかる保険料)
- 後期高齢者支援(後期高齢者の医療を国民全体で支援するための保険料)
- 介護納付(介護保険第2号保険者(40歳~64歳)の介護保険料)
保険料の詳しい算出方法は、各自治体のコーポレートサイトに記載されています。
●保障制度
社会保険には健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険が含まれています。万が一の時の保障や自己負担額、将来もらえる年金の額が社会保険と国民健康保険で違うことを押さえておきましょう!
保険における入社・退社時の注意点
社会保険と国民健康保険は、それぞれ重複して加入することができませんので、就職や退職の際は、手続きがスムーズに行えるように保険の切り替え方法を理解しておきましょう。
国民健康保険から社会保険に切り替える場合
新しい職場で社会保険に加入をしたタイミングで、お住まいの市区町村の窓口で脱退の手続きをしましょう。国民健康保険の脱退する届け出が遅れると、国民健康保険の資格がないのに離職中に利用していた国民健康保険制度を利用して病院にかかることになります。そのため、国民健康保険が支払った医療費を後で返金することになります。
◎手続きは早めの対応を心掛けるようにしてください。
社会保険への加入は会社が手続きを行ってくれるため、必要書類を準備しましょう!
社会保険から国民健康保険に切り替える場合
社会保険喪失の場合、社会保険の資格喪失届の手続きは会社が行ってくれます。しかし国民健康保険の加入は自分で対応しなければならないので、忘れず早めに対応しましょう。多くの自治体は、退職後14日以内に窓口で加入の手続きを推奨しています。
加えて、社会保険から国民健康保険に切り替える場合は「任意継続」にも気を付けましょう。
会社を退職した後、2年間に限り国民健康保険と会社の社会保険(任意継続)、どちらに加入するかを選ぶことができます。そのため社会保険から国民健康保険に切り替える場合は、家族が扶養に入れなくなる点なども踏まえ、社会保険を継続するのか国民健康保険に加入するのか、しっかり検討をした上で加入する保険を選ぶようにしましょう。
最後に
社会保険と国民健康保険の大きな違いは下記の4つ。
- 保険加入団体
- 親や配偶者を扶養に入れられるか否か
- 保険料
- 保障制度
日本国民は社会保険もしくは国民健康保険のいずれかの加入が必須です。それぞれの違いや制度についてしっかりポイントを押さえ、自分や家族にとってベストな選択ができるようにしましょう!
この記事へのコメントはありません。