2022年10月より社会保険適用拡大!

■社会保険の適用範囲拡大とは

少子高齢化、労働者層の多様化といった社会の変化を適切に年金制度に反映することを目的として、2020年5月に年金制度改正法が成立しました、年金の受け取り開始時期に関する選択肢の拡大や在職中の年金の受け取り方の見直し等の項目と並んで行われたのが「社会保険の適用範囲拡大」です

〈現在の適用要件

原則:社会保険(健康保険・厚生年金)は、現在すべての企業に対し正社員と週の所定労働時間数及び月の所定労働日数が正社員の3/4以上である短時間労働者を加入させることが義務付けられています。

 201610月から従業員数501人以上の企業に対して、以下の条件を満たす短時間労働者の加入も義務付けられました。
  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 賃金が月額8.8万円(年収106万円相当)以上であること
  • 勤務期間が1年以上見込まれること
  • 学生を適用対象外とすること
〈改正後の適用要件

改正後は従業員数101人以上の企業に対して、短時間労働者の健康保険・厚生年金保険の適用が更に拡大されます。

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 賃金が月額8.8万円(年収106万円相当)以上であること
  • 継続して2ヶ月を超えて使用される見込みであること(※)
  • ・学生を適用除外とすること
    一般の被保険者の適用と同じルールであることに留意が必要

■押さえておきたいポイント!

◆事業所規模要件の従業員数

  1. 社会保険の適用対象者(フルタイムの従業員、週所定労働時間及び月所定労働日数がフルタイムの3/4以上の従業員)を指し、それ未満のパート労働者数を含まない
  2. 月ごとに従業員をカウントし、直近12ヶ月のうち6ヶ月で基準を上回ったら適用対象となる。
  3. 法人事業所の場合は、同一の法人番号を有する全事業所単位、個人事業主については個々の社会保険の適用事業所単位で従業員数をカウントする。

◆勤務時間の要件(週20時間)

基本的に週20時間の判定は契約上の所定労働時間によって行い、臨時に生じた残業等は含まれません。なお、契約上20時間未満の場合でも、実労働時間が2ヶ月連続で週20時間以上となった場合、引き続き同様の状態が続いている、もしくは続くことが見込まれる場合は3ヶ月目から保険の加入となります。

◆月額賃金の要件(月8.8万円)

基本給及び諸手当によって判断し、残業代・賞与・臨時的な賃金(時間外労働・休日労働及び深夜労働に支払われる割増賃金や皆勤手当て、通勤手当及び家族手当等)は含みません。

◆勤務期間の要件(2ヵ月超)

2022年10月からは「2ヶ月超」に変更となります。契約上の期間が2ヶ月となっていても、更新の可能性が明示されている場合は、2ヶ月を超えて使用される見込みがあるものとして取り扱います。

■企業がすべき3つの対策!

  1. 従業員数と加入対象者の把握
  2. 加入対象者への説明
  3. 被保険者資格取得届の届出

社会保険適用拡大のタイミングで働き方の見直しを!

従業員数101人以上の企業にとって、社会保険適用範囲拡大は事業主の負担増が懸念されることから、パート・アルバイト従業員の働き方や労働時間を見直すなどの対応が必要となる可能性があります。働き方改革を検討する上で、正社員のみならずパート・アルバイト従業員の労働環境整備もまた見直すべきポイントとなります。適用範囲拡大のタイミングで、現行制度の見直しを検討してみましょう。

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