産休・育休で従業員がもらえるお金とは?企業側の手続きについて解説

令和4年4月1日に育児休業・介護休業についての法改正が行われました。
今回は産前産後休業、育児休業で社員がもらえるお金や、企業側の手続きについてご紹介します。

そもそも産前産後休業、育児休業とは?期間はどのくらい?

 

産前休業の期間は出産予定日から6週間(42日)前、産後休業の期間は出産翌日から8週間(56日)です。
産前・産後休業はあわせて企業に申請をし取得をします。
出産の6週間前からであれば、任意で産前休業開始日を自分で決めることもできるのです。
また、双子など多胎の場合は、14週間(98日)前から取得することができます。
一方、産後休業は産前休業と違い、法律で必ず8週間の休業を取得することが義務付けられているため、ご本人の申し出とは関係なく働くことができません。
ただし、例外として産後6週間(42日)を過ぎ、ご本人が請求し医師が許可を出した業務に限り就業できます。

育児休業は正規雇用者だけでなく、パート社員や派遣社員、契約社員、アルバイトの方でも条件を満たしていれば取得することができます。ただし、雇用形態が1日単位の方は除きます。
育児休業を開始する場合は、休業開始予定日の1ヵ月前までに会社へ申請する必要があります。
期間は、原則としては、子どもが1歳の誕生日を迎えるまでですが、保育園などの空きがなく入園できない場合や、配偶者が死亡したり怪我や病気をしたりした場合は、子どもが1歳になる前に申請することによって育休を1歳6ヵ月まで延長することができます。また、その後も保育園の入園が難しい場合は、再延長の申請を行い最長2歳までの育児休業取得が可能になりました。

従業員がもらえるお金にはどんなものがある?

 
出産育児一時金:

妊娠4ヵ月(妊娠日数85日)以上のほぼすべての方が出産したときに、一児につき42万円(産科医療補償制度の対象とならない出産の場合は40.8万円)出産育児一時金を受け取ることができます。
多胎児を出産したときは、胎児数分だけ支給されます。
出産育児一時金は、健康保険加入者または配偶者の健康保険の被扶養者、および国民健康保険加入者が対象です。

健康保険組合から病院へ直接支払ってもらう直接支払という制度や、病院が本人の代わりに一時金を受け取る方法、自分で支払いを済ませた後に、健康保険組合に申請して一時金を受け取る方法などがあります。

協会けんぽの場合を例にあげると、被保険者記入欄、医師記入欄、市区町村の記入欄しかありませんので、企業側としては制度のお伝えと申請書類のお渡しなどの対応を行う形になり、記入は特にありません。

出産手当金:

出産手当金とは、出産のため勤務先を休んだときに健康保険から受け取ることのできるものです。
出産予定日6週間前(42日)+出産予定日から遅れた出産日までの日数+産後8週間(56日)分の手当金、標準報酬日額の3分の2を受け取ることができます。
多胎の場合は出産予定日14週前(98日)出産予定日から遅れた出産日までの日数+産後8週間(56日)分が対象です。
※出産が早まった場合は、その分の日数を減らして金額を計算します。

勤務先の健康保険に加入している方で、産休中に給与の支払いがなく、妊娠4ヵ月(85日)以降の出産であることが条件になります。

協会けんぽの申請書類は3枚目に事業主記入欄があります。勤務状況や賃金などを証明する必要があるので、この3枚目の記入を必ずすることが必要になります。

育児休業給付金:

育児休業中の期間、雇用保険から月給の67%を受け取ることができる制度です。
※育児休業の開始から6ヵ月経過後からは月給の50%×休んだ月数分

育児休業給付金を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります。

同じ勤務先に1年以上雇用され、雇用保険に加入している
育児休業を開始した日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(完全月)または賃金支払基礎時間数が80時間以上ある月(完全月)が12ヵ月以上あること。
有期雇用労働者の場合は、休業開始時において、子が1歳6ヵ月(または、2歳)までの間に、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでないこと。
育児休業後に退職予定がないこと。
育児休業期間中、休業開始前の1ヵ月当たりの賃金の8割以上が支払われていないこと。

こちらの申請は原則雇用主が2ヵ月ごとに行います。現在は、e-govを使った電子申請でもできるようになっていますので、必ず申請をしてください。

その他会社側の手続きは?

前提として、まず労働者から妊娠を報告された際には会社としての制度の説明などをする必要があります。
また労働者の配偶者が妊娠をされた場合についても、男性の育児休業制度についての説明が必要です。
その後、本人が産前・産後休業や育児休業の取得をするかどうか、またその期間などについて確認した上で社内の業務調整などを進めます。

その後の手続きとしては以下のようなものがあります。
・社会保険料免除の申請(産前産後休業取得者申出書を年金事務所に提出)
・予定日と出産日がずれた場合、産前産後休業取得者変更(終了)届を年金事務所に提出
・扶養追加の申請
・社会保険料免除の申請(育児休業等取得者申出書)
・育児休業終了届

いかがでしたでしょうか?
会社側の手続きもいくつか種類がありますので、従業員が休業を希望しているか、
給付金関係の対象者に当てはまるかなど、都度確認が重要です。

関連記事一覧

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP
Top