BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは?
採用や教育の課題や、働き方改革に向けた対応など労働環境の変化からビジネス環境まで大きく変わろうとしています。特に生産性改善は重要な経営課題になってきています。そこで昨今「間接業務代行・支援=BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」という言葉をよく聞くようになりました。企業が持つ事業の一部を外注化する事が従来のアウトソーシングだとすると、BPOは社員が持つ業務をプロセス毎にアウトソーシングする(特に非IT系の間接業務代行)イメージで、最近では生産性や利益改善、業務品質向上など各企業の経営課題を解決する施策として、オフィスワークを中心に活用が広がっています。今回はBPOの効果やメリットについて考えていきます。
BPOの市場について
2013年以降、景気回復による業務量拡大もBPOの追い風になっています。日本は米国に比べ「経営資源のコア業務への集中」「業務拡大への柔軟な対応」など、経営者の戦略的なBPO利用への意識が低く、北米と比べると、GDPに占めるBPOの市場規模がまだまだ小さく、BPOの成長が遅れています。しかし、労働環境の変化やグローバル化の進展に伴い、日本の企業もBPOを戦略的に導入せざるを得なくなるとみられることから、市場規模の拡大が予想されています。
なぜBPOは必要?
1つの事業を運営するのに複数の人が関わり、さまざまな業務が発生します。売上に比例して利益が増える事業だとあまり考える必要はないのですが、昨今の採用費や教育費、賃金、原料の高騰などの理由で増収減益が起こる時代になると、生産性の改善も意識する必要があります。特にこれから人が経営に及ぼす影響が大きくなる中、管理部門や間接部門を効率化や、社員の主業務へ集中するための改善が企業内で進むと考えられています。
BPO導入のメリット
社員が個々に持つ業務には「主業務」と「副業務」、言い換えると「コア業務」と「ノンコア業務」があります。まず「コア業務」「ノンコア業務」を明確にし、整理することや主業務の割合を増やすことは、業務効率化・利益改善を考えるうえで非常に重要です。間接部門がノンコア業務にあてはまる業務も多いイメージですが、直接部門においてもノンコア業務が主業務の妨げになる事もあるのではないでしょうか。ノンコア業務を優先してBPOの対象にして進める企業が多いようです。
コア業務の目安 | ノンコア業務の目安 |
---|---|
利益を生む直接的な業務 | コア業務を支援する業務 (利益は生まない業務) |
専門的な判断が必要 | 専門的な判断は不要 |
難易度が高い | 難易度が低い |
内製化でしかできない業務 | 外製化も検討できる業務 |
メリット1:コスト削減
BPOされる業務にかかる時間の対価として支払うため、雇用とくらべた場合、自社で運用するよりも結果的にコストが削減されることがよくあります。例として8時間分の業務を依頼するのと、8時間勤務の社員の業務量を比較したとして、後者は8時間のうち厳密に何時間が業務に引き当てられているかを考えただけでも比較できます。人材不足や利益の確保で悩んでいる昨今、自社の時間とコストを今まで以上に考える必要があります。BPOなど外注をすることで余計な経費がかかるという印象を持つ人も少なくありませんが、総合的に検証すると実はコスト削減が期待できる部分であるため、一度試算してみることもオススメします。
メリット2:経営資源の集中
間接部門の業務を外注することで、自社の社員は本来集中しないといけないコア業務に経営資源を多く投入することができるため、限られているリソースを最大限に生かすことができるのは大きなメリッットと言えます。どの企業でもリソースを最大限に生かす事こそ最大の生産性を発揮できると考えられ、それを上回る作業量は社員の労働時間の増大やコア時間の妨げなってしまうだけです。社員をコア業務に集中させるためにも外注できる作業は検討していきましょう。
メリット3:専門性の活用
BPOのイメージやメリットとしても考えられやすいのが、自社で行うよりも専門性の高い人材が行うため、高品質の業務が期待できることがあります。そのため、自社で運用する場合の専門性を勉強する手間やコストをかけずに済むため、人材不足と言われる昨今、業務の効率化にもつながります。特に前述のBPOのメリット1、2からの導入検討もありますが、コア業務とは言え、自社運用では大変な業務も多くあるため、専門性の活用もオススメします。活用例として、経理業務、カスタマーサポート、デザイン、営業代行、採用代行など様々な場面で利用されています。
まとめ
日本が抱える経営課題や労働環境の変化に、スキルやキャパで業務が限定されないBPOは、業種・職種にとらわれず社内の様々なポジションで発生するノンコア業務の依頼先として、今後ますます利用する企業が増えて広がりをみせることでしょう。
■お問合せ先|株式会社セイシン総研 TEL:092-717-5260
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